エージェントから見た CLI 規約¶
alpha-forge CLI は、AI エージェントやシェルスクリプトからの無人実行を前提に設計されています。確認プロンプトで止まらない非対話モード、機械可読な構造化出力(JSON)、そして分岐に使える終了コード規約を全コマンドで統一しているため、エージェントは出力をパースし、終了コードで挙動を判断するだけで安全にループを回せます。
このページは規約の詳細リファレンスです。探索ワークフローのなかでの位置づけは 自律探索ワークフロー を、MCP 経由での利用は MCP リファレンス を参照してください。
前提
コマンド例は作業ディレクトリのカレントで alpha-forge を直接呼ぶ形で記載しています。開発者向けの alpha-trade モノレポで作業している場合は、各コマンドを FORGE_CONFIG=forge.yaml uv --directory alpha-forge run alpha-forge ... に読み替えてください。
非対話実行¶
破壊的・上書き操作(strategy delete / strategy purge / optimize clean / pine clean など)には確認プロンプトがあります。CI・パイプ・エージェント(subprocess)などの非対話環境では、これらのプロンプトでハングするおそれがあるため、alpha-forge は次の仕組みで非対話モードへ自動的に切り替わります。
- 環境変数で一括無効化:
FORGE_NONINTERACTIVE=1(true/yes/onも可)またはCIを truthy に設定すると、すべての確認プロンプトを非対話モードに倒します。 - TTY 自動検知: 標準入力が TTY でない(パイプ・subprocess 実行)場合も、上記の環境変数なしで自動的に非対話モードとして扱われます。
- 破壊的操作の安全側停止: 削除・上書きなどの破壊的操作は、
--yes/-yが無いと 終了コード2で即停止します(黙ってハングしません)。 - EULA は別の環境変数: 初回起動時の EULA 同意プロンプトは
FORGE_NONINTERACTIVEでは自動同意されません。CI 等ではFORGE_ACCEPT_EULA=1を併用してください。
推奨フロー(dry-run → --yes)¶
破壊的コマンドは、まず --dry-run で対象件数を確認してから --yes で実行する 2 段構えが安全です。
# 1) まず影響範囲を確認(何も削除しない)
FORGE_NONINTERACTIVE=1 alpha-forge optimize clean --older-than 30d --dry-run --json
# 2) 件数に納得したら --yes を付けて実行
FORGE_NONINTERACTIVE=1 alpha-forge optimize clean --older-than 30d --yes --json
--yes を付け忘れても、非対話モードでは黙って削除されることはなく、終了コード 2 で停止します。
# --yes を忘れた場合(破壊的操作は実行されず exit 2 で停止)
FORGE_NONINTERACTIVE=1 alpha-forge optimize clean --older-than 30d --json
echo "exit: $?" # 2 = 非対話実行で --yes 欠落
JSON 出力¶
--json を付けたコマンドは、エージェントがパースしやすいよう次の規約に従います。
- stdout は純 JSON のみ: 装飾・進捗・警告はすべて stderr に分離されます。エージェントは stdout をそのまま
jqなどに流し込めます。 - 一覧系の envelope: 一覧を返すコマンドは
{"<複数形>": [...], "count": n}の形で包みます(例:{"strategies": [...], "count": 12})。 - not found エラー: 対象が見つからない場合は stdout に
{"error": "...", "code": "...", "id": "..."}を出力し、終了コード1を返します。
# 戦略一覧から ID だけを抜き出す(stdout は純 JSON なのでそのまま jq に渡せる)
alpha-forge strategy list --json | jq -r '.strategies[].strategy_id'
# 存在しない戦略を指定した例(stdout はエラー JSON、終了コードは 1)
alpha-forge strategy show does_not_exist --json
# stdout: {"error": "戦略 'does_not_exist' が見つかりません", "code": "strategy_not_found", "id": "does_not_exist"}
echo "exit: $?" # 1
進捗バーと JSON の分離
バックテストや最適化の進捗バーは stderr に出ます。--json の出力を変数に取り込んでも、進捗表示が混ざって JSON パースが壊れることはありません。
主要コマンドの --json 出力フィールド一覧・型・schema_version の意味と増分ルールは --json 出力リファレンス を参照してください。
終了コード規約¶
すべてのコマンドが次の 3 値の終了コード規約に従います。エージェントはこの値だけで次の動作を機械的に決められます。
| 終了コード | 意味 | エージェントが取るべき動作 |
|---|---|---|
0 |
成功(ユーザーによる明示キャンセルを含む) | 結果(JSON)を読み取って次へ進む |
1 |
not found / 想定内の実行失敗 | 対象が存在しない・実行が失敗したものとして扱う(無人ループの停止判定にも使う) |
2 |
引数エラー・非対話実行で --yes 欠落 |
引数を直す、または --yes を補って再実行する |
2を受け取ったら: コマンドの組み立てが誤っている合図です。引数を修正するか、破壊的操作なら--yesを補ってから再実行してください。リトライしても引数が同じなら再び2になります。1を受け取ったら: 「対象が無い」「想定内の失敗」として扱い、無限リトライせずに次の候補へ進むか、ループを止めてください。
実効設定の確認¶
エージェントが「いまどの設定で動いているか」を診断するには alpha-forge system config を使います。FORGE_CONFIG の解決先を踏まえた実効値を表示し、秘匿値はマスクされます。
# 実効設定をまとめて確認
alpha-forge system config --json
# 特定キーだけを確認(dotted key 指定)
alpha-forge system config data.provider --json
無人ランの開始前にこのコマンドを 1 回流しておくと、想定外のデータパスやプロバイダー設定で走り出す事故を防げます。
無人ループでの安全パターン¶
エージェントが長時間ループを安全に回すためのチェックリストです。
- [ ]
FORGE_NONINTERACTIVE=1を常時付与する — 確認プロンプトでのハングを防ぎます(非 TTY でも自動有効ですが、明示しておくと意図が明確になります)。 - [ ] 破壊的操作は
--dry-run→--yesの 2 段で行う — 先に件数を確認し、納得してから実行します。--yes忘れは exit2で安全側に止まります。 - [ ] 結果は
--jsonで取得し終了コードで分岐する — stdout の JSON をパースし、0/1/2で次の動作を決めます。
# 無人ループ 1 反復のイメージ
export FORGE_NONINTERACTIVE=1
alpha-forge backtest run SPY --strategy my_rsi_v1 --json
case $? in
0) echo "成功: 結果 JSON を解析" ;;
1) echo "not found / 実行失敗: 次の候補へ" ;;
2) echo "引数エラー: コマンドを修正して再実行" ;;
esac
関連リンク¶
- 自律探索ワークフロー — 非対話実行のワークフロー内での使い方
- MCP リファレンス — MCP 経由でこれらのコマンドをツールとして呼ぶ場合の規約
- CLI リファレンス — 各コマンドの全オプション